2011年12月28日

【ここらあで謎解きぃゆうのはどうどっしゃろ?】 第二回:アイツとアイツのややこしい別れ話 (前編)

タイトル.jpg

京都で活躍した高僧と言えば、あなたの頭には誰が浮かぶだろう?
 
仏閣の京都だけに大勢の僧の名が浮かぶが、
一人だけ選んで挙げるとしたら、ぼくの場合は空海だ。

クーカイ。なんてキャッチーな名前だろう。

空海は京都の東寺・高野山金剛峯寺に住み、そこで法を説いた。

そして空海といえば、最澄である。
サイチョー。こちらもたいへん愛嬌のある名前だ。

しかし実のところ最澄は滋賀の僧であり、
延暦寺は京都市街に背を向け、琵琶湖を向いて建っている。

けれども最澄、度々京都の空海のもとへ弟子や書簡を送っては、
空海とコンタクトを取り、親しくしていたようである。

ところがその仲は、次第に悪くなり、後に二人は絶交に至った…。
 
はてさて、親しい二人が縁を絶つとはいかなる由縁でございましょう。
ここらあで謎解きぃゆうのはどうどっしゃろ?

なんだか堅い回になりそうな気がしているので、
カタカナを多様してバランスをとっていこうと思う。


一人目のアイツ、空海のはなし

平安時代初期、とんでもない人物がここ京の地に暮らしていた。
日本国真言宗の開祖、空海である。

ぼくが「学問の神様」と聞くと、
菅原道真をさておいて空海を思い浮かべてしまうのは、
高校時代の日本史の先生が彼を偏愛していた影響だろうか。

昔の人は大概そうであったのだろうが、
空海には「早熟の人」というイメージも強い。

あの時代に語学の才を持ち(唐留学)、
字を書かせれば当時の達筆王ナンバスリー(三筆)に数えられ、
二十四にして大書「三教指帰」(さんごうしいき)を書き上げるという、
希代の万能人である。

二十四歳まで、ぼくにはもう5年もない。
身分を問わない学校である綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)の設立でも有名であり、
ここには、学問に優れていながらも柔らかい頭を持った人物像を想像できる。

他に、やはり日本史の先生の話で強く印象に残っている「灌頂のエピソード」がある。
勘のいい方は字面を見てお気づきかもしれないが、
頂(=頭)に灌(そそ)ぐと書くこの灌頂(かんじょう)、
師範より法を受けるときの儀式のことである。

修行僧はこれをもって高僧に極意を伝授してもらうのだが、
空海はこの僧界きっての一代イベントで「選ばれし僧」っぷりを披露した。
 
灌頂のひととおりの流れを説明すると、
法を授かる僧が目隠しをして手に一本の華を持ち、
これを沢山の仏様が描かれた両界曼荼羅(りょうかいまんだら)の上に投げ、
華の落ちた所の仏様と結縁する。
ここで結縁した仏が、その僧の守り本尊となる。

加えてこの両界曼荼羅には「胎蔵界曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」の2つがあり、
従って「両界」とされるわけである。

空海はこの灌頂において、
なんと胎蔵界・金剛界いずれの曼荼羅とも大日如来の上に投華してみせ、
これをもって両界の大日如来と結縁した。

もちろんこれは最高位(この世の一切を遍く照らす最上)の仏で、
いわば仏の中の仏を守り本尊として持つこととなった空海は、
僧界隈ではまさにレジェンドである。

どうしても想像できない人は、
ハリー・ポッターがグリフィンドールに選ばれたシーンに置き換えて納得してほしい。
冒頭でアイツと呼んでおきながら変だが、ともかく輝かしい才能にあふれた人物であった。

第三稿イラスト.jpg

 
さて、ネタがネタだけに序盤からチンプンカンプンな用語が飛び交っている。
オンパレード・オブ・チンプンカンプンである。

それでもどうか根気強く読んでいただきたい。
この語句はどういう意味だろう? と考えるところから、既に謎解きは始まっているのだ。

(次回へつづく) 
                                        

                      
絵と文 川ア 貴彦 [PROFILE]   
   
   

※ 来週 1月4日(水)の当連載は、お正月休みをいただきます。みなさん、よいお年を。  


この記事へのコメント
Facebookから飛んできて読みましたー

こんなブログやってたんだ!!
Posted by さとよし at 2011年12月29日 00:14
さとよしさん、いつもおおきに^^
ブログちゃいまっせ!
Posted by 川崎貴彦 at 2011年12月29日 01:28
面白い^^興味深く読めました。
文章も卓越していて読みやすい。
たぶん読む人のことを考えて書いている部分があるのだろうと思う。
もしそれはないというのならば^^才能だ。
うんうん。

いやぁ^^続きが楽しみですありがとう
勉強になりました^^b
Posted by 大野敬司 at 2011年12月29日 09:55

>みなさん

コメントありがとうございます!

ほんと、川崎さんの新連載 文章も絵も力が入って
魅力がありますね!
若いのにたいしたものだと思います。

ジャンク派にこういう連載が始まったのを嬉しく思ってます。

今後とも応援よろしくお願いします!
   
Posted by ジャンク派 at 2011年12月29日 11:39
いい。とてもいいよ。とってもいい!
Posted by まえはら at 2011年12月29日 13:50
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